馬籠・夜明け前

馬籠・夜明け前

★「木曽路はすべて山のなかにある」という書き出しで有名な島崎藤村の「夜明け前」の舞台になった、中山道・馬籠宿です。
先日、現役時代の同期生が、ここに参集して一泊し、宴会をしました。そのおりにスケッチしたものです。
ここは、恵那山系から下る山襞の尾根部分の急な坂につくられた宿場町で、中山道のなかでも珍しい難所に出来た家並みです。その風を煽るような急斜面の地形と高所のために水利が悪いことから、過去、幾度となく大火に見舞われました。既に、本陣も脇本陣も焼失してなく、現在の家並みは、大正の大火以降につくられた家並みです。

★彼方此方の現存する当時のままの姿を残す宿場町風景を見てからここを訪れると、その新しい建物の雰囲気にガッカリする者もいると聞きますが、とんでもありません。私には、急な坂道に敷き詰めた石畳の道、振り返れば遠く下界に広がる田畑や町の家々、ここにワラジをぬいでホッとした、旅人たちの安堵の光景に、十分思いを馳せることができます。そして、何回もの大火をくぐり抜けながらも、なお、この厳しい地形の土地に居続け郷土を守ってきた地元の人たちの逞しさも感じるのです。

★そして近代になり、島崎藤村がここに生を受け、高名になって、ここを離れ、東京、パリ、小諸と活躍の場を転々としても、常に、望郷の念に駆られ続けていたこの地への思い。その思いが、やがて、あの不世出の名作「夜明け前」につながったのです。

★私たちが集まった日は、日曜日だったものですから、観光客でごった返していました。近代文学の流れを膨大な蔵書類で展示した「藤村記念館」には、若い人たちが食い入るように資料を見ていて、これもまた素晴らしい光景だと感動したのです。

★さまざまな刺激と感動をもらった同期の会でした。もちろん、酌み交わす酒も最高でした。
おりしも、その夜は衆議院選挙の開票結果報道、一喜一憂しながら民宿のテレビにかじりつきの徹夜でした。果たして、ホントに「夜明け前」が、やってくるのか?!

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コメント

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artkazukoさん、こんばんは。

★ありがとうございます。
★私たちの近くの大都会は名古屋ですが、高層ビルに押しつぶされそうな狭い路地に昭和そのままの飲み屋や商店が並んでいる所、大好きです。ずっと頑張っていて欲しいと思う光景です。
でも、そのうちに「景観条例」とかいうので無くしてしまうのでしょうね。
★こういう風景も、地元の方々は維持に大変みたいです。日本の行政は先ばっかり見て、庶民レベルの遺産を残すということに全く無関心ですね。本当は庶民レベルの遺産を大切にするということが先を見るということにつながると思うのですが。

こんな光景がまだ残っているのですね・・・。
東京だと、背景に高層ビルが見え隠れしてしまいますね。(笑)
最近は混沌が東京の魅力だと捉えるようにしています。

しかし、高層化は反対です。
島崎藤村が生きていた時代は、低層住宅が普通だったのですよね。
高層ビルに住む現代の売れっ子作家が紡ぎだす小説世界に
島崎藤村はどのような感想を持つのでしょうか。(笑)


Bokkasaさん、おはようございます。

★ありがとうございます。
★今回は、妻籠まで行っていません。馬籠界隈の史蹟と夜の酒と選挙速報でした。
★どこにでもある街並みと坂道の風景、いいですね。大好きです。
その坂道の先に何かがある、と思わせるようなロマンの風景だからでしょうか。

こんばんは。
同級会+選挙速報=さぞかし楽しかったでしょうね!!

素敵なスケッチですね。
石畳の坂道・・・・・これをみて以前、玉さんが描いた「春の清水の三年坂」のCGを思い出しました。
初めてみて衝撃を受けた画でした。

ここから妻籠まで、ウオーキングでしたか。
充実した日でしたね。

足袋ネコ、おはようございます。

★ありがとうございます。
★速報を見ながら、フッと、滅多に見られない明暗の極端な表情、なんかデザインのテーマにならないかと、とも思いながらテレビを見ていました。
★足袋ネコさん、ご存じかも知れませんが、お勧めのコースがあります。馬籠の駐車場にクルマを置いて、馬籠宿から妻籠宿への中山道の山中を歩く峠越え往復コースです。一般の人たちは、『きつかった』と言いますが、山をやっている人には丁度いい汗かきコースで、秋最高です。古い建物が現存する妻籠宿の方も最高です。

玉さん お久しぶりでございます。
同級生とお酒を酌み交わしながらの選挙速報視聴はさぞや楽しかったのでは
と想像いたします。
それぞれ立場は違っているかもしれませんが
明るい未来を目指して政権が変わる・・・いや、本当は前とさほど変わらん,むしろ後退・・・
などと 皆さんにわか評論家になられた事でしょう。
いやいや,私も未来が大変心配!
多少のビンボウでもいいけれどちゃんとご飯を食べていける生活でありたいですね。
木曽路は一度は行ってみたいところです。
出来るなら昔の時代のように歩いて訪れたいくらいです。
玉さんの優しいタッチのスケッチはここの宿場を誇りに思う気持ちが表れていますね。

枯雑草さん、おはようございます。

★ありがとうございます。
★あそこはホントに地形、眺望、風、などに昔が偲ばれるといった宿場の雰囲気ですね。
★ずっと以前から、地理的不便さから岐阜県への編入を主張する人と藤村生誕地と宿場の歴史的意味から長野県のままでいたいと言う人の地元対立があったのですが、結局、数年前に岐阜県に編入されました。
私たち他者からみれば、どちらでもいいのですが、両者の方々の気持ちもよく分かり、その長い間の確執も、また一つの歴史なのでしょうね。

こんにちは。
味のあるスケッチですね。馬籠宿は今に残る中山道の宿場の中で、私も特に好きなところです。峠を越えてもまだ急な坂道の中にある街。前方に平野が偲ばれる・・。おっしゃるように、シチュエーションの良さなのでしょうね。観光化を嫌う人もいますが、こういう街、観光でないと生きてゆけませんよね。古くからの良いものの何かが残っていれば十分にいいですね。そう思います。

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