幻影

幻影

◆北アルプスの岐阜県側の麓に新穂高温泉群があります。その突き当たりの場所と穂高連峰の西の端の尾根を繋ぐ長い長いロープウエイに乗ることが出来ます。あまり長いためか、斜面が急なためか、あるいは危険防止の理由からか、このロープウエイは海抜1200メートルあたりの所でいったん降りて別のロープウエイに乗り換えるようになっています。
この中継場所一帯が広い高原状態になっているので、観光客はすぐに乗りかえないで、しばらくここを散策して自然を満喫することをおすすめします。

◆この場所、秋の日、運が良ければまさに紅葉天国です。白樺と赤や黄色のコントラストが映える林の中を歩くと命が洗われる気がします。
でも、この場所の紅葉はホンのいっときで、一週間ほど経ってから友人を連れて行くと違った場所に来たのかと思う程、色の褪せた林になっています。まるで、あのときの紅葉が林ごと麓に向かって移動したのかと思うほどです。美しいときは一瞬です。

◆さて、紅葉狩りに行ったとき、どうしても自分が過去に見た最も美しかった紅葉が頭の中に残っていて、他人が『きれいだなぁ』といっても自分としては、その紅葉の色合いに不満だったり、ということはありませんか。私は、そのロープウエイの中継場所の紅葉の美しさが頭にあるものですから、どうも、近在の紅葉名所にいっても納得がいきません。

◆でも、こういうこと‘人間’には禁物ですよね。過去は全て‘幻影’ですから…。あの時出来たから今でも出来るはず、とか、久しぶりに会った彼を、昔の彼を見た尺度で判断するとか、いったことはよくあることですが、いけません。と、自分に言い聞かせているのです。過去は二度と戻らないけど、そのときどきにに何か新しい可能性が芽生えて居るはずだ、と、信じなければ人間生きていく力が湧いてきません。

◆【追記】…この人物のイラスト、以前も使いましたが、ブログ友人の写風人さんのお嬢さんをがモデルです。数年前ですが。

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